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ふと思っとこと

『進撃の巨人』と日本の戦後教育:誰が歴史を語るのか?

はじめに

『進撃の巨人』という作品は、巨人との戦いを描いたアクションファンタジーでありながら、その根底には非常に深いテーマが流れています。特に私が強く心を動かされたのは、「歴史は誰が、どのように語るかによって全く違う意味を持つ」という描写です。

そしてこのテーマは、私たち日本人が受けてきた「戦後の歴史教育」と重なる部分が非常に多いと感じました。


■ 進撃の巨人に描かれる“歴史の操作”

物語の前半、壁内の人類は「巨人から守るために壁がある」と信じていました。しかし、真実はまったく異なり、彼らの世界は「外の真実」から隔絶され、嘘の歴史によって支配されていたのです。

さらに、敵国マーレでは「悪魔のエルディア人」というプロパガンダが幼い子どもたちにまで刷り込まれていました。教育、記憶、伝承。それらがすべて、支配のために機能していたのです。


■ 日本の歴史教育に重なる構造

この構造は、戦後の日本の歴史教育にも見られます。

◉ 「大東亜戦争」から「太平洋戦争」へ

かつてこの戦争は「大東亜戦争」と呼ばれ、欧米の植民地支配からアジアを解放するという理念が込められていました。しかし戦後、GHQの占領政策によりその呼称は「太平洋戦争」と改められ、「日本が侵略者であった」という一方向の見方が強調されるようになりました。

◉ 「侵略戦争」か、「アジア独立戦争」か?

現在の教科書では、日本はアジアを侵略したと記述されています。しかし一方で、当時の戦争をきっかけに独立を果たしたアジア諸国が多数あるという事実も存在します。これは“歴史”をどう見るかによって、全く違った物語になることを示しています。


■ 記憶は操作される——それでも考える力を

『進撃の巨人』は、「記憶」と「教育」がいかに簡単に操作されうるかを容赦なく描いています。日本の教育も、戦後に大きな“記憶の塗り替え”を経験してきたと言えるでしょう。

だからこそ私たちは、一つの視点だけで「歴史を理解した気になる」ことを避け、自分の頭で考え、複数の視点から歴史を見つめ直す必要があります。


終わりに

『進撃の巨人』を通して感じたこと。それは、「歴史とは、語る者によっていかようにも変わる」という現実でした。だからこそ、私たち一人ひとりが“語られる歴史”を鵜呑みにするのではなく、“考える歴史”を歩んでいくことが大切なのではないでしょうか。