現代社会は、まるで“地図を捨てた飛行機”のように進んでいる。
「どれだけ稼いだか」「どれだけ効率よく成果を出せたか」「どれだけ早くゴールにつけたか」 そうした“生産性”や“スピード”ばかりが評価される世の中で、私たちは大切なものを見失っていないだろうか。
本来の優先順位は逆だった
航空機の飛行計画や運航管理には、絶対的な優先順位がある。
- 安全第一(健康・機位の確認)
- 品質第二(針路・航路の選定)
- 生産第三(目的地の到着・時刻の管理)
この原則があるからこそ、飛行機は安全に、確実に、目的地へと飛び続けられる。
ところが、私たちの暮らす社会はどうだろう?
- 「健康は自己責任」
- 「多少無理してでも成果を出せ」
- 「いつまでに、いくら稼ぐのか?」
この順序では、まるで“飛行前点検もせずに、とにかく離陸しろ”と言っているようなものだ。
健康は「今どこにいるか?」を知ること
航空における“機位の確認”は、飛行中に自分が「今どこにいるか」を常に把握すること。
これは、私たちの日常で言えば、「自分の健康状態を把握すること」とほぼ同義だ。
- 朝、体は重くないか?
- 気持ちは不安定になっていないか?
- 頭がぼんやりしていないか?
こうした“自己観測”を怠ったまま日々を飛び続けていると、やがては墜落してしまう。
社会が失っているのは、“現在地を知る”という感覚
情報はあふれ、SNSで誰かと比べ、成果とスピードが称賛される時代。
だからこそ、私たちがまず見直すべきは、“現在地”だ。
- 自分は今、どこにいて、
- どんなコンディションで、
- 本当に進むべき方向へ向かっているのか?
もしこれを見失っているなら、あなたは今、地図を持たずに飛んでいる飛行機と変わらない。
最短よりも“確実”が先
人生にも仕事にも、“効率”や“スピード”を追うことは大切かもしれない。 だが、それは土台となる「健康=安全」の上にある話だ。
壊れかけの機体で、アクセルを踏み続けてはいけない。
まずは一度、現在地を確認してほしい。
地図の読み方はこうだ:
- 健康状態(体・心・頭)を見つめる
- 今の生活に“無理”がないかを見直す
- それから、どこへ向かうかを考える
まとめ:健康は未来への“飛行許可”
健康を疎かにする社会は、目的地に到達する前に失速してしまう。
成果より、スピードより、まず大事なのは、“いまの自分を知ること”。
健康とは、未来へ飛び続けるための“飛行許可証”なのだ。